今回は、手術開始から、手術後〜翌朝までについて書きます。
私は学生時代に病院のお掃除のバイトをしたことがあります。
土日にワックスを剥がしたり塗ったりしてました。
そのとき大きな病院のいろんな部屋を見てヒャアアア〜となったことはありますが手術室は入ったことなかったです。
手術室前室みたいなところで一旦椅子に座り、点滴の袋を看護師さんが点滴台から手持ちに持ち替え、手術室の扉の中から麻酔科チームと思われる方々がいらっしゃいました。
ヘアキャップを被せてもらいながら、氏名と、これから行う手術の内容と部位を自分で言いました。
私の場合
「◯◯namiです。右乳房摘出とエキスパンダー挿入です。」
「右ですね。」
「はい。」
という感じです。
移動する時点からすでに私は、お注射頑張ろうねと大人たちに励まされている幼児のように扱われました。
手術室は中に更に4部屋だか6部屋だか8部屋だかわからないですが、廊下を挟んでいくつもありました。
棚にはなんだかよくわからないものが積んであり。
「うわ〜、うわ〜、はじめて見ます〜。ぶつくさぶつくさ。」
「そうですよね〜」
「うわあついに来てしまった〜」
麻酔科チームの別の方々と思われる人々に、ゴーグルの奥の目しか見えないけど多分笑顔で
「はい、こんにちは〜。こちらへ来てスリッパ脱いで横になってくださいね〜。は〜い。」
幼稚園児に戻った気分で
「よろしくお願いします!」
と言って、ねまきのまま横になり、胸をはだけました。
私は針検診の後のガーゼを止めたテープで皮膚が引っ張られて裂けてしまった跡がまだ残っていて、そのことを「あらら〜」と言われたり、バーバパパのマスクを褒められてエヘヘ〜と言ってる間に、マスクの上から酸素マスクを当てられ、点滴の袋に薬を注入したんだったか袋を変えたのか忘れました、
「はいでは眠くなるお薬入れていきます少しチリチリするかもしれません〜。」
「あ、手首がチリチリ、あ、腕にきました」
ここで記憶がカットアウトされています。
何かとても平和な夢を見ていました。全く覚えてないけどとても平和でした。
突然左の耳元で名前を呼ばれて
ぱちくり。
「はい?」
「手術終わりましたよ〜。」
あ、そうか。気持ちよく寝てたけど私手術だったんだ。終わったんだ。わあ、ホントに目が覚めたら終わってる〜と面白くなってしまい
「ホントに目が覚めたら終わってるんですね!」
と言ったけど声がカサカサで出ませんでした。口開けて寝ちゃったときみたいな。
「わあ、声が出ない!」
「酸素の管を入れていたのでね〜。しばらくそんな感じかもしれませんが戻りますからね〜。」
そんな会話をしながら大勢の人がさっさかさっさか作業をしていて、あれ?このお尻の感じ、わたしノーパンじゃない?右の胸、大量のガーゼ、あ、
「いたい〜」
「お部屋のベッド来ましたから移しますね、よいしょってしたあと少しガタッとします〜」
「は〜い、わあホントにガタッとした〜。」
振り返ってみるとどんだけガキンチョのような言動なのでしょうかわたしは。
あれ、ぱんつはいてないみたいだけど上も左胸にタオルか何かが乗ってるだけで、全裸じゃね?
病室のベッドに移ったらサササッと、おむつが装着されました。尿道カテーテルの違和感は全くなし。
上半身は、ガーゼみたいな柔らかい生地の、赤ちゃんの服みたいに袖などをスナップで止めるようなものを着せられました。前はガウンみたいに左右で重なってるだけと思われる。
たしか、同時に心電図の付け替えをやっていたような。あとで気づきましたが検査で使うような心電図のポチポチやケーブルよりもちっちゃいのがあっちこっちにくっついていたようです。それと、左手の指に挟まれたパルスオキシメーターがモニターの子機みたいなの(携帯用充電バッテリーくらいの大きさで、液晶画面が付いていて、それが病室の壁に着いてる信号コネクタに繋がれて、モニターチェックをしていた模様)とりあえず人差し指に挟みますけど嫌だったら他の指に付け替えていいですからね〜と言われる。は〜い。
乳腺科の主治医が
「おつかれさま〜。リンパ節ね、少し大きめに取ったから、むくむほどではないけど気をつけておいてね。」
「じゃあ今後は右腕で採血とか血圧測ったりは控えたほうがいいということですか?」
「その通り。」
これだけペラペラ喋ってるので、看護師さんか麻酔科の方が
「麻酔の目覚めはバッチリです!」
と言ったので
「知り合いに麻酔寝覚め最悪だって脅されてたけど、全然気分爽快じゃないですか、痛いけどぉ〜〜。」
うるさいからほっとかれたのか、声がちゃんと出てない中、ベッドを動かしてる音で聞こえてないのか、とりあえずそこらへんはほっとかれました。
エレベーターを待つ間
「いたい。いたい。」
と言っていたら主治医が
「お部屋ついたら痛み止めの点滴しましょね〜。」
あ、今痛み止め入れられてない状態なのか。
部屋のフロアに到着して、父に顔を見せ。
「おお〜目さめたか。」
「目覚め爽快。気分は非常に良いです。痛いけど〜。」
「5時間くらい寝てたからな。」
「そうなんだ。」
貴重品箱の鍵を返してもらい、最初は左手首につけられたのですが点滴の管に当たると手首に刺さってる針も動いて痛いので右にしてもらい。
あら、右手、肘から下は自由に動くんだなあ。足も動くぞ。足でじゃんけんぐーちょきぱー。右胸痛い〜。
なんだか無性にいろんなことが可笑しくて笑っちゃうんだけど痛くて笑えませんでした。
ベッドが定位置に戻ってくると酸素マスクとかモニターケーブルとか点滴とかがサササとセッティングされました。
やっぱりこのご時世だからマスクの上から酸素マスクするのか。
手術中はどうなってたんだろう。気管に管通しながらマスク、うええ??どうでもいいか。
私はストレートネックが原因なのかストレートネックの原因だったのか、ここ数年は枕を使わないほうがいいので外してもらいました。
下半身には電気毛布がかけられていたそうです。それはもういらないかしらね、と外してもらい。羽毛布団だけがかかってる状態。
何故それを看護師さんに聞いたかというと、腰から下はおむつ以外何もつけていない気がするけど何か布が肌に触れている、つまりどういうこと?と思ったからです。
こういうことかぁ〜。
羽毛布団の下には、この柔らかいトップスと、おむつだけかぁ。
かかとが痛い。
3年前に手術した友人が言ってたんです。かかとが痛かったって。
手術中に体を起こしたりなんやかや動かすらしくて、そのときかかとが引きずられて靴擦れ状態になったみたい、と。
私は擦れたような痛みはなかったのですが、ずっと堅いところに当たってて疲れてるような痛さがありました。
膝の位置を変えてみたり内股にしたりがに股にしたりして痛くない位置を探したけど結局痛いので、足に枕を置いてもらいました。楽になりました。
枕さん、なんか違う仕事させてすみません。
痛み止めの点滴を入れてもらってもなかなか楽にならず。
乳腺科の主治医が
「もう半分入ったからそろそろ痛みは治ると思いますよ〜。」
自分の部屋に帰ってきたのが18:30前後だったと思います。
点滴の袋が空になった。
いたい。
いたいぞ。
人の出入りがワチャワチャあり。
「術後2時間確認問題なさそうなので、酸素外しますね〜。」
「は〜い。」
「どうですか〜。」
「痛いです〜。」
その直後に、消灯〜。
どのタイミングで言ったんだったかなあ。どうにも痛くて。
あの痛みをどう例えたら良いのでしょう。
外傷性の痛みなんですけど。あたりまえですけど。
乳腺取っちゃって大胸筋の下に異物入れてるんだから痛くないわけがないっ!
寝てる体勢を変えていいと言われても激痛で動かせないっ。
消灯してしばらく頑張ったんだったかな。早く薬効いてこないかな〜って。
けどどうにも痛いのでナースコールしたんだっけな。見回りに来たときに言ったんだっけな。
手術後に点滴してもらった痛み止めは、金庫で保管しているいわゆる劇薬らしく、連続して点滴してはいけないらしく、確認してくるからちょっと待ってて。と言われ。少しして、劇薬ではないけどよく効くという点滴を入れてもらいました。それが落ち切ってもやっぱりいたい〜。
そうそう。
寝る前の薬を飲むかと聞かれたんです。私の場合常用してる睡眠薬です。
そのときは手術後2時間半くらいですからまだ興奮してるし、痛いし、痛さに気絶して寝るだろうなと思って、いらないって言ったんです。
気絶しなかったんです。
2本目の点滴の前だったか最中だったか、やっぱり飲む!と言って飲ませてもらいました。
ここでストロー活躍です。
睡眠薬飲んでも、痛み止めの点滴2本目打ってもいたい。眠れない。
いたい。いたい。いたい。
ナースコールして3本目の痛み止めの点滴。
一定時間経過したので、1本目と同じ点滴が使えるとのことで、強いや〜つ。
いたい。
午前3時だったか、4時を見たか...。
ちょっと寝たみたい。
朝が来て。
前後関係はよくわからなくなりました。
6時くらい?乳腺科の主治医とほか白衣の人たちがわらわらわら〜と来て。
そのとき電動ベッドの機能で上半身を少し上げたんだったかなあ。
「どう〜、眠れた〜?」
「3本目の点滴を打ってもらってるときにちょっと...あ、痛みがなかなかひかなくて痛み止め3本打ってもらったんですけど」
「聞いた聞いた〜。気持ち悪くない?」
「気分はいいです。いつもよりいいくらいです。痛い以外は。」
と言ってる間に上着をはがされ、あっちこっちについてた心電図のぽちぽちが外され、バストトップのところにかぶさってるガーゼを外して確認され。そのとき初めて術後のバストトップの状態を見ました。
あ、ちゃんと残ってる...
黒いかさぶた状態だけど...
右脇の下の、乳房の膨らみの始まるラインの、タンクトップを着ても目立ちにくい位置から切ると言われていて、そこは特にテープングとか何かされてる様子はなく。
あれ?
ドレーンの管を固定してると思われるテープは見えるけど、傷口は自分では見えない。
傷の具合を確認され。
「うんうん、順調。」
そうしてる間に形成外科の方と思われる男性がバストトップに軟膏を塗り。
うん、病院って、やっぱり異世界だなあ...
と感じました。
私たちのやってる舞台芸能のお仕事でも、転換のときなんか特に、無言で各セクションが迅速に動き回るわけで、それはこの状況とどこか似ているところもあるのですが、私たちの仕事では直接お客様に触れることは一切ありません。
医療現場の方々は、人間相手にそれをやってるんだなぁ...。
私たちも、目的は、人間(お客様)の愉しみのために動いていますが、医療現場の方々は、人間の命に関わることを、人間に触れながら、人間の心にも触れながら進める大変なお仕事だなあ...。
と、感じました。
傷や皮膚の状態、排液(Twitterに「廃液」と書きましたが、本当は「排液」のようです)の状態も良し。ただちょっとだいぶ痛がってる、という感じだったみたいです。
それから若い看護師さん2人が、体拭くから、って来たんだったかな。
ショーツはどこですかと聞かれ、棚の青い巾着の中です、黄色っぽいポーチの中にパンティーライナーが入ってあるのでつけてもらえますか。と頼み。
おむつを外され。わお。
おお、ちゃんと尿の管通ってるんだ、動かされても違和感とか何も感じない。
上半身の前側を拭いた後、下も拭かれ。
うむ。この人たちは仕事でいつもやっているんだ。恥ずかしがることはないのだ。それどころではないのだ。痛いのだから。
腰を少し上げて。と言われても拷問のようで。どっこいしょ!と、ぱんつをはかせてもらい。
では座りましょう。と言われても。
それ以上上半身を上げられる気がしない〜。
と悲鳴をあげても完全スルー。問答無用で角度を上げられ、そこから座る角度に、えいっ、と押されました。ああああ。
背中を拭いてもらい、ガウン式の寝巻きを着せてもらい。
座ってじっとしてれば騒ぐほど痛くないけど、動くと痛いよ〜。
「では点滴を押しながら歩いてみましょう。」
えええええ〜
わたし手術から帰ってきてまだ15時間経ってないんですよ〜鬼かよ〜
足を下ろしてベッドに座る姿勢になるだけでヨロヨロ。
そこから立ち上がり。ひいいい。
一歩。一歩。
右胸が痛いだけでなんでこんな、起き上がるだけ、立ち上がるだけ、一歩歩くだけが大変なの。ヨロヨロ。
「気持ち悪くないですか?」
「気持ち悪さは全くないです。」
そのままトイレまで行って、戻ってきました。
「トイレまで行けたので、バルーン抜きますね。」
バルーンって、導尿の管のことだったのか。
ベッドに浅く腰掛けて、またぱんつを下ろして、
「息を吸ってください。ゆ〜っくり吐いてください。」
ふ〜、っと息を吐いてる間に管が抜かれました。
想像の3倍くらい長い管が出てきました。
「そんなに長いのが入ってたんですか。」
「そうなんです。」
あとで分かりましたがこの看護師さん、オペ室付きから移動してきたばかりだそうで。なんか他の看護師さんとペースが違うなと思ってたんです。
歩く練習をしたのが朝食前だったか後だったか忘れました。
手術後初めての食事がこれです。
通常は牛乳が出されてるみたいです。
この献立に牛乳って。
右上の黒いのはお茶です。毎回、一杯付いてきました。
食事の写真は毎回撮って、父と妹にLINEで見せてました。母はアナログ人間なのでLINEとか一切無理で、父が見せてたと思います。
ご飯の量が毎回多いなあ。と、私も、写真を見ていた妹も思っていたのですが(父は、おかずが少ない!と言っていた。)ごはんだけでも結構美味しくて、毎回完食してました。
ふりかけ不要で。
食事の写真を全部ここで見せてもしょうがないと思うので、そういえばこれ。と思ったのがあったら載せます。
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