2021/04/18

乳がん手術入院のつれづれ その5

 今回は、手術前日から、手術後病室に戻ってくるまでのことを書こうと思ったのですが長くなったので、手術直前までの話を書きます。



手術前日から、手術直前まで

手術の前日に入院しました。
手術は翌日なのに朝8時までに行かないといけませんでした。診察や入院の受付が開始する前なので、直接、入院する病棟のナースステーションに行く段取りでした。
父が車を出してくれて、平日の朝の微妙な渋滞の中、30分くらいかかったかな。
案内の職員に時間まで待てと止められるも「乳がんで入院なので直接ナースステーションに来るように言われています。」と申して直行。
同じ日に手術したTさんもそうやって止められて同じように答えたのに、医事課の職員と思われる女性に頑として止められて遅くなったようです。看護師さんが詳しい状況を確認して、上に報告してました。

何故そんなに早いかというと、センチネルリンパ節の場所などを確認するための撮影をするにあたり、撮影できるようにするための薬剤を乳輪の横あたりから注射するためだそうです。8:30くらいには注射しないと夕方の撮影までに目的の位置まで薬剤が行き渡らないということなのかしら。
乳首周辺は敏感なところなので注射が痛く、昔は局部麻酔をしていたそうなのですがその麻酔のための注射も痛くて、注射自体は一瞬で終わってしまうので、だったら一度だけの我慢にしてもらいましょ、ということになったらしいです。
私も、ちくっとした、いたい、ほんとにいたいぞ、
「いーたーいー」
と声を出したら
「終わりました。」
でした。ふう。
それで、夕方まで待たなかったなあ確か。14時過ぎくらいにIR室に呼ばれて、台に仰向けになって、右腕を横に伸ばした状態と、上に上げた状態で15分くらいかかりました。
CTとかMRIみたいに台が動いて、かなり目の前まで機材が迫ってきて少し驚きます。

話が前後しましたが入院してナースステーションに到着したら、まずは翌日の手術の手術開始予定時間を、立会いする父と一緒に聞きました。
私は2番目となり、13時頃ではあるのだが1番目の方の手術状況によって前後するので、立会い者は開始予定2時間前の11時には到着していて欲しいと言われました。
コロナ禍なので病室での待機はできず、フロア内のラウンジで、1名のみ。入院の説明の時は交代してもいいという話だったはずだけど交代NGだそうで、これも上に報告すると言ってました。
どこも部署間の連携は大変なものですね...。
乳がん患者のフロアは産婦人科と共同で、男性トイレがないので父はトイレに行きたい時はナースステーションに「トイレ行ってくる。」と言ってエレベーターで外来フロアへ移動して、戻ってきたら「戻りました。」と言わないといけなくて結構大変...。しかも私の手術は4〜5時間の予定なので、7時間くらいそうやって過ごさなくてはならず。後で聞いたらラウンジは携帯電話の電波がとても弱くて、だいぶ退屈したようです。

父とはこれでさよ〜なら〜明日よろしく〜。

注射が終わった後は、入院の書類的手続き。
提出するものがたくさんあって、持ってくるべきだった印刷物とか、いらなかったものとか、も〜、めんどくさい。
そして足の太さを測って弾性ストッキングのサイズ確認。結構高価なので、乳房再建で次に手術する時も持ってきたほうがいいと言われました。
弾性ストッキング自体は聞いたことがあったけど、とてもはきにくいので、はきやすくするためのツルツルしたアイテムの存在に感嘆しました。
それと左腕に名前とバーコードの付いてるバンドを装着されました。

手続きが終わったら、巣作り。
荷物を解いて棚などにいろいろ配置。
引き出しに入れるべきもの、棚の取りやすいところがいいもの、取りにくいところでいいもの。使わないのでもうキャリーケースにしまいっぱなしでいいもの。冷蔵庫に炭酸水をイン。ラウンジの自販機の横にテレビと冷蔵庫を使うためのカードが売ってるので一枚購入。早いけどIRの撮影に行く時ねまきの方が楽だろうから早々に病院から借りるねまきに着替え。
途中でTさんと一緒にフロアの案内をしてもらう。お風呂の使い方、給湯器を使っていいこと、などなど。
これが終わった時にTさんに話しかけ、翌日手術すること、患部は左右違うがエキスパンダーを入れるというところまでは同じことをするらしい、よし、がんばりましょう!と励ましあい。
そして今現在なんにも具合悪くないけどお昼ご飯。
ん?
うまい!と言うほどでもないけど、結構美味しい?かも?

巣作りが落ち着いちゃうと暇。IRに呼ばれるまで何してたっけ。鬼滅の刃読み始めたり、ワイヤレスヘッドフォンのチェックをしたり。
薬剤師さんが来て、常用薬の確認と、ナースステーションで管理するということで全部没収。わあ〜ソラナックスも渡してしまった〜。もういいか、ここまできたらまな板の鯉だ。
そして手術前日マストのお風呂。
乳腺科の主治医が登場!よろしくお願いします!超緊張しています!!!
今日中にエコーを撮って印をつけたりする予定だったけど私は明日お昼からの手術だし今日はこれから先生が他の病院にヘルプで行かないといけないので、明日にしよう!と、なり。
外科医って、タフだなあ...。
看護師に伝えると、あら、じゃあ今日はもう、ごゆっくり。
と、なるも。落ち着かない...。
漫画やラジオやテレビやなんかで感情に触られるより、黙々としたことをやろう...。と、編み物。看護師さんに「何編んでるんですか?」と聞かれるも「ブランケットのレシピなんですけどはたしてこれをどう使うつもりなのか私もわかりません。単純作業で気を紛らわせたくて...。」
そして麻酔科の研修医くんによる確認。頑張る若者。
リハビリのお姉さんによる説明と、説明を聞きましたの同意書サイン。

まったりしてると、館内放送。
電子カルテシステムがダウンしてるとな。
紙で進めろと指示.....。
1時間と少し過ぎて、復帰との放送。
おいおいおい、大丈夫なのかここ...。
手術後、看護師さんに話すと
「わたしお休みの日でよかったです...紙でやれって言われても...」
「紙と電子カルテ同時に作ってるんですか?(電子カルテ導入初期の時代にそういう仕事をしたことがあって、その頃は並行して使っていたので。20年くらい前だな。)」
「いえいえいえ。全部パソコンです。」
「じゃあ大変じゃないですか。履歴とか確認できないし。」
「そうなんです。ホント休みの日で良かった...」」
「ひ〜。」
リハビリのお姉さんに聞くと
「わたし5年いますけど初めてですよびっくりしました。」
「そうなんですか。よくあるんだったらここヤバいぞと思ってたんですよ。私は手術前日だったからほとんど他人事で、大変そうだな〜と思ってました。」
「なんかコードが抜けてただけみたいなんです。」
「え。なんで。」
「たまたま他の業者が入ったらしくって。その時に何かあったのかなって。」
「システムさん真っ青だったでしょうね。」
「ほんとに。おさわがせしました。」
ああ、驚いた。

常用薬の服薬のタイミングの度に持ってきてもらう。飲み込むまで見られてる雰囲気。
友人たちから励ましのLINEが。有難い...。特に経験者の励ましは心強い...。
麻酔科の医師が来て血圧のこと再確認。リズミック飲まないと上が90いかないの〜。そうかそうか。という話。今夜は緊張するだろうけどスマホ見たりしてなんか気楽に過ごして。と言われる。今考えてみたら、研修医くんにソラナックス飲まないでと言われてエ〜と言ったので、そのフォローもあったのかも。
晩ご飯。やっぱり結構美味しくないか?不味いと感じることなく箸が進んで完食するというのは、つまりは病院食にしては美味しいということではないだろうか?のりたま使わなくていいぞ??
21時以降は水かお茶以外口にできず。
消灯時間に寝る前の睡眠薬を渡され、飲む。まだ早いよう。寝ました。

手術当日。
かなり早い時間に目が覚めたけどどうしようもないのでスマホ見てたら早朝からバイタルチェックとかいろいろあって慌ただしい。
弾性ストッキングを履く。こういう感じなのか...。
弾性ストッキングの上からも、名前とバーコードの付いてるバンドを装着されました。
経口補水液を渡される。あと30分くらいまででもう、これと、お水ちょっとしか口にできません。


思ったより水でした!
想像以上に、りんご風味の水でした!
ゼリー飲料的なのかと思ってたら普通にさらさらの液体でした!!
開腹手術の方はこれどころじゃないんだもんなあ。絶食の上、下剤飲んだり浣腸されたりだもんなあ。楽なもんだろ。と、自分を励ます。

8時半くらいに、Tさんが手術室へ。
エレベーター前で小さくガッツポーズをしてエールを送る。
Tさんも応えてくれた。

歯磨きして、リステリンでくちゅくちゅして、一応髪を2つ結びに。
肩につくかつかないかの長さなので、ちょこん。ってなってて、看護師さんに「まあカワイイ。」と笑われました。ふふふ。

形成外科の主治医と研修医さんたちかしら、が、ゾロゾロといらっしゃった。よろしくお願いします!!!
研修医さんかしら、若手さんかしら。が、胸にマッキーで印をつけました。
胸のふくらみの下ラインとか左右の中心線とかっぽく。
主治医が研修医さんと思われる小柄な若者に「少し下にするとね、云々。」と説明してました。何が下なんだろう。聞いてもわかんないだろうからいいや。上手くやるコツなのでしょう。よきにはからえ!!(何者)

点滴が始まる前に検査室に呼ばれ、超音波エコー。
乳腺課の主治医が入り口のところで笑顔でお出迎えに待っててくれました。わ〜ん。いい先生。
腫瘍のあるところや、切るところかなあ。を、チェックして、マッキーで印をつけました。
マッキーなんだなぁ〜。
医療現場でもマッキーなんだなぁ〜。
マッキーがないと世の中困るんだなぁ〜。
と、そんなことを考えてました。

10時くらいに点滴。やはり腕の良いところに血管がないので手首。わ〜ん。
この時点では、生理食塩水にちょっと栄養が入ったものを入れてるらしい。
これがあると編み物ちょっとしづらいけど、できないことはない。左だし。黙々と編み物。

お昼ご飯の時間だけど、私はかんけーないもんねー。スマホ見たり、鬼滅の刃読んでみたり。
Tさんのベッドがどこかへ運ばれていき、何かをセッティングする音がカチャカチャと。
ここでは病室のベッドに移して運ばれてくるのかと気づく。
12:55に出発の予定ではあったけど遅れそうという情報が届く。父にLINE。
同じフロアにいるのに顔を出しに行けないという矛盾したご時世。
何時だったかな。Tさんがベッドごと戻ってきました。心電図の音がなんとも、臨場感。
次はオレの番だぁぁ〜。。。

ところで、
3年前に別の病院で同様の手術を受けた友人は、
「T字帯が嫌なので産褥パンツを持って行った。」
と言っていて、ほう。そういえば父が前立腺の手術をする時(切除じゃなくて放射線を出す石を埋め込む手術)T字帯がどうの、ふんどし〜、とかそんなことを言ってた気もするけど、今回はT字帯というキーワードが一度も出てこないなあ。
手術室に向かう時は、ぱんつと、弾性ストッキングと、ねまきだけ。と言われ。
結果、この病院ではT字帯は使用せず、手術中はどうしてたのかわからないけどおむつを着けられて戻ってくるやり方でした。
そして、友人は手術着に着替えたらしいけどその説明はなく。
手術室に着いたらヘアキャップをつけて、手術内容と部位の確認がある、とだけ言われました。
あと友人は手術後に硬膜外麻酔が痛み止めになってたらしいのですがそのキーワードも出てこないので入院時に看護師さんに聞いたら、それは脊髄とか頸椎とか一部の患者さんに使うことはあるけど背骨のところに刺すので漏れてないかの確認が大変だし、患者がボタンで注入操作ができて、タイマーか何かで入れられる時間を管理しているみたいなのですがリスクが高いという考え方だそうで、私は点滴で痛み止めを入れられるとのことでした。
硬膜外麻酔の方が良かったと思われたっぽく、いやいや、そっちの方が怖いと思ってたので逆に安心しましたと申しました。

看護師さんが来て、手術室から、13:40に入るように連絡があったので、13:35にエレベーターに乗りましょう。と言われました。
きゃ〜。
父にLINE。
エレベーターに乗る前にラウンジを経由して、父に貴重品箱の鍵(パラマウントのユニット棚の引き出しの中に貴重品箱がくっついてました。大きさは、ほぼ日のひきだしポーチ姉がギリギリ入るサイズでした。ぱつんぱつんにモノ入れてたら入らないかも。がん治療が始まったのを機に追加購入したひきだしポーチ姉はお薬手帳が入るので何かと便利です。)を渡して、いってきま〜っす。と、出発。

私はもともとよく喋る方ですがま〜この状況なので麻酔が効いて寝ちゃうまでよく喋ったと思います。麻酔から覚めてもよく喋りました。



次回は、手術後の話を書きます。
どこまでかなあ。翌朝までくらいかなあ。


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