うちの母は、たぶん病気なんだと思うけど、絶対病気なんだけど、病院に行ってくれないし父も連れて行けてないので診断はくだってないんだけど、猛烈に社会性がない。
私が幼い頃は父が転勤だの出張だの単身赴任だので、頼れる人がいない土地にほったらかされて孤独に子育てして辛かったんだろうけども、それに加えてたぶんすっごい早期から更年期障害があったと思われるんだけども、それをくみしても酷い。
エピソードはいろいろあるんだけど、私が高校生くらいの頃から、母から叩き込まれたこの習性を排除しなくては。と思ったことがある。
「人の何気ない親切をとりあえず最初は断る。」
「お茶どうぞ 。」
「いえ、おかまいなく。」
本当に手をつけない。
「お茶飲んでください。」
「いえ、そんな、申し訳ないです。」
(もう注がれてます)
「お茶冷めますから飲んでください。」
「(私たちの顔を見て『まあどうしましょう、気を使わせてしまったわよ』の意味を示し)すみません...」
(一口しか飲まない。おかわりなんて頼んだら殺される。)
お茶でこれですから、お菓子なんて恐ろしくて自分からは絶対に手を出しませんでしたし、親戚の家に遊びに行った時の食事や、会食などでは、母が「食べなさい」と言うまで食べてはいけないものだと思ってました。
中学生くらいの時に、お友達の家に遊びに行っておやつをいただくとか絶対ダメ!みたいなのがあり。
お泊りなんか、この世の恥なお前が他所の家で食事をいただいてお風呂をいただいて布団を借りるなんて言語道断!!!
という扱いであることが明確になりました。
まあ喘息が酷かったので、その心配もあったのでしょうけども、
「もし喘息っぽい咳をしだしたらすぐお電話ください。」
って、言わない??
あちらからお泊りに誘われてる場合は特に。
自分が子育てしてないから理想論でしか言えないんだけどさあ。
それで、中学とか高校くらいから、お友達や先生にお菓子のおすそ分けをもらうことはすっごい罪なことと思ってたんだけどそれは全然そんなことなくて、却って失礼なんじゃねえか??
と、思い始めました。
高校生になって、確実に、私のこの思考回路が人間関係構築の阻害になってるんじゃね??
と、自覚をし始めました。
自覚をし始めても、高校生の3年間でそんなに人間変われません。
大学に入って。
変人の巣窟みたいな学部だったので、ほんっとにいろんな育ち方をした友人がたくさんできて。
そんななか。
食べ物をシェアしたり、雑魚寝したり、友達の家で料理をしたり。
ちょっとずつ殻を破っていくのは本当に大変だったけど、楽しくて。
本当に楽しくて。
私が殻を破り切る前に「Namiは心開いてくれね〜。」と思ったのか、早々に疎遠になって行った友人もいましたがまあ大学生なんてそんなもんでしょう。
と、今だからこそ思うミドルフォーティー。
大人の女どうしとかで、お菓子攻防でめんどくさいのはよく知ってます。
派遣OLもいろいろやりましたから。
毎日毎日、お菓子もらったからお返ししなきゃ。みたいな毎日。
季節ごとにソニプラとかチェックして、誰かと被らなそうな期間限定お菓子とかチェックしに行ったりして。
「近所の奥さまつながり」になると、母自身が自分で言ってましたが、図々しい人もいるそうで。
両親の実家近くで有名な和菓子を、ご近所にお土産で、まあ、何件かは配りますわな。
すんごい美味しいんですよ。
今でこそネットでも有名だし、ネットで取り寄せもできますが。
当時はそんな情報はなく。
有名とはいえ九州のド田舎の銘菓は関東地方ではほぼ知られてなくて。
それをえっらい気に入った近所の奥さまが、なんだか唐突に、マックシェイクを持ってきたそうなんです。
母はジャンクフードは食べないというか、知らない文化に突入しない人なので、ファストフードは知らないというか興味がない人で(ケンタッキー以外)。
持ち帰りのマックシェイクを家に持ってこられても、子供たち学校だし、あらどうしましょ。
で、まあたぶん、わけのわからない甘い液体として私たちが飲まされたか、捨てられたか、そこは覚えてません。
その奥さまの魂胆は
「あの和菓子美味しかったからまた持ってこい。マックシェイクあげるから。」
だったようなんですね。
近所の別のおばさんたちの話も集約すると。
あーめんどくせ。
そういうのはもー知りません。
私が今、母と正反対の行動をしているのは、反面教師が第一。
そして、人たらしでだいぶ図々しい父の性格の方が本来の私には遺伝的に強いのかもしれないと最近思うわけであります。
サービスすることが幸せなタイプもいるわけで。
それ以前に、お茶やお茶菓子は断るなよ、失礼だろ。と。
母はだいぶバカなので、一棟貸切型結婚式場のロビーでドリンクサーブしてくる方に
「あらまあご親切にありがとうございます。」
空いたグラスを下げていただいたときは
「あら、まあ、すみませんご親切に。美味しかったです、ありがとうございます。」
と、深々とお辞儀。
うちのおかーさんは遠い過去か違う星から来た不思議星人なんでしょね。
と、呆れて細目で見ながら遠ざかることしかできませんでした。
「そういうお仕事の方なんだから、スマートにサービスを受け流してくださいよ。」
「あの人優しいわね。」
「だ〜か〜ら〜〜〜〜。」
...なんだけど、本当に困っているのは懐石料理でもフレンチでもイタリアンでも、前菜くらいで満足しちゃってメイン以降全く手をつけないこと。
「もうおなかいっぱい〜。もういらな〜い〜。ビールだけちょうだ〜い。ビール足りな〜い。」
お店の人の前でシェフに聞こえるボリュームで言うな!!!
この世の恥はあんただ!!!!
究極と思われるのは、お寿司屋さんに行って、ガリが好きな母は
「わたし、ガリ大好き。お寿司なくていい。ガリだけでいい。」
と、大将に言っちゃうこと。
アウトー!!
アウトーーーー!!!
今すぐ帰れーーー!二度と来るなーーーーーーー!!!!!!
...。
そんな親の元育ち、発狂し、一周回ってまともっぽい人間になれたようでございます。
育ちの悪さはある程度自分で振り払うことができます。
それまでにいろいろ失っているけども、これからまだまだ生きてしまうなら、早いとこ、生きやすい環境に身を置いて、自分も周りも心地よくなれる性格を身につけたほうがいいです。
気の合わない人とは、いくら頑張っても無理なのでさっさとあきらめます。
誰かと仲良くなるにはやっぱり、美味しいものを共有することってとっても大切。
もし自分が好きじゃない味でも
「これがおいしいのか〜。ふ〜ん。わたし、もう満足!食べかけでよければこれも食べて!お茶おいしいね。お茶おかわりしようかな。」
なんつって、否定せずに受け流すのって、大切。
話は戻って、出していただいたお茶菓子に手をつけないのは、失礼!!
コース料理はいわずもがな!!
食べきれなくても、ひと口ずつは手をつけた痕跡をつけなきゃダメ!!
...って、母を矯正するのはもう無理だって分かってるんだけどね。
ほんと、幼少時から素直にありがたくいただく子でありたかった。
みなさま、本当にごめんなさい。
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