2014/05/10

十五の憧れ(長文)

こんばんわ。

病院に行ったり仕事に行ったりの、ここ数日でした。
フリーと言いつつ派遣OLと平行してやってきて10年を越えてきた本業。
自分の気持ちや、自分の立ち位置をどこに置けば良いのか、やっと見えてきたかもしれない。
技術的にも、対人関係としても。
やっぱり10年は続けないとわからないものだ。
そんなことを感じています。


この一週間くらい、中学生の頃憧れていたYくんの夢を何度も見ました。
これほどに醒めたくない夢があったでしょうか。
続きを見たくて目を閉じても、続きは見られませんでした。

Yくんのことはこのエントリの後半の方に少し書きました。

たぶん、結婚の口約束中の彼のアホンダラ具合にうんざりしている日々なので、幼いとき憧れていたYくんのことをココロの奥で想ってしまっているんだと思います。


Yくんと少なからず関わっていたのは、10歳か11歳の頃から15歳までです。
会話らしい会話はしたことないです。たぶん。
お互いの存在を知ってたのは6歳くらいからだと思います。近所の同級生とは男女やクラス問わず結構関わってたと思うし、私たち自身が関わってなくても親同士が関わってて母経由で何かしら同級生たちの情報が入ってきたものですが、Yくんに関しては、私の母から何かを聞いた覚えがありません…
地元の子供会とか入ってなかったのかな?そうかもしれないけどもはや分かりません。

繰り返しになりますがYくんは勉強も運動もできて、なのに出しゃばらず、今おもえばとても少年らしい無垢な顔をしていて、本当にモテました。
10歳から15歳までなんて、我々の世代だと、男子と女子があまり仲良くしていると冷やかすヤツがいたり、恥ずかしくて話したいのに話せないとか。

私がよく会話をしてた同じクラスの男子との、会話の内容は

『△組のなんとかちゃんの写真を入手してきて!!』

遠足だのなんだのの機会に不審がられつつなんとか友人を説得して速攻で『写るんです』で撮った写真がボケてると文句を言われたり…
彼らは私と会話がしたくて話しかけてるんじゃなくて、彼らの憧れの女子の情報が欲しくて話しかけてたわけなんですな。
そりゃ私は顔広いけどもね

『誰に頼まれたの!?』
誰に渡すの!?
わたし好きな人いるんだけど!勘違いされたくないんだけど!?

ってね。

…なにもかもみな懐かしい…

『写るんです』だと確認できないまま現像に出すしかないので出来上がりのクレームにも困った…
しかも頼んできた子と違う子が『なんとかちゃんの写真もってない??』と聞いてくると、持ってるけどこれはなんとかくんが…モニョモニョ。

男女逆で女の子から男の子の写真入手してきてって頼まれたのも多々。

じぶんでたのめ〜!
結構大変なんだぞ〜!

時代はずいぶん変わりましたね。

思い返せば。私が年がら年中学級委員やってるから、相手がたいして仲良くなくても私が頼めば全く地味且つ交流のない子が頼むより成功率が高いと想ったんでしょうね。

おそるべし十五の戦略。
バイクは盗まないし窓ガラスも壊さないおとなしい学年でしたけどね。


Yくんと同じクラスだったのは私が小学生のとき転校から戻ってきて卒業するまでの1年と1ヶ月くらいだけでした。中学校はずっと違うクラス。
6年生の時の担任が今じゃ絶対あり得ない横暴教師で、ビンタなんかあたりまえ。廊下に正座は真面目ちゃんカテゴリの私も何度もさせられました。
あと酷い依怙贔屓。このあたりを書くと本が一冊書けそうなくらいなので端折ります。

Yくんは、なんでもできるし、男の子からも女の子からも信頼されてるし、教師からも一目置かれてる子でした。
私は、運動は全くできないけどほかはざっくりいうとYくんと近いポジションでした。
私の方が口が酷く悪すぎましたが。

Yくんは何故かリーダーポジションにはあまり来ませんでした。
私は運動で全く活躍できない分、リーダーポジションで活躍させてもらえるのかもしれない。
ってかほかに取り柄がないから教師が気を遣ってやらしてくれてるのかもしれない。
…のほうが近いのかなあ。と思ってました。

でもめんどくさいよ〜。やりたくないんだよ〜。部活やめたのに学級委員長の会議が週2回か3回あってさっさと帰れないんだよ〜。
どうしてYくんはいつもシレッとしたポジションにいられるのかしら。部活で活躍してるからかしら。
とも思ってました。特に中学生のとき。

しょうがないので会議までの時間と終わって暫くの時間、Yくんの部活の様子を眺めていました。
どうせ家に帰っても罵倒され殴られ蹴られ過剰に食わされ嘔吐して喘息起こして…になるので、Yくんの姿を追いながら放課後を過ごす時間は、優しく癒されるとても貴重な時間でした。
Yくんのいる部活に見入ってて時間の感覚がぐるっと狂って、何度か帰りの放送を流す時間を派手に間違えました。
でも先生誰も「おい!違うぞ!」って言いにこなかったんですけど何故でしょう。
職員室の隣の放送室でやってたんですけど…。
今でもしらばっくれてます。もう時効かなあ。



今自分に中学生の子供がいて当たり前な年齢になったからこそ思うことがあります。
Yくんは少なからず私を気にしてくれていた。
登校ルートをわざわざすれ違うようにしていたり。
Yくんは団地の植え込みエリアを柵を無視してくぐって通り、私と接近してすれ違わないルートで、でもいつも決まった時間に、植え込みの中をYくん、歩道を私が、そこですれ違うようにして通っていました。
私が通院で遅刻する曜日には、自室のブラインドの隙間からYくんが通りすぎるのを待ってるのを、気付かれてた。Yくんはこっち見てた。
今だからこそ思う。それはもう確信に変えていいと。


私が何か…歓送迎会などの行事のため放課後にクラスをまたいで練習とかを指示しないといけないとき、私の言うこと聞きたくないわけじゃないんだけど授業や部活と全く違うシチュエーションのせいか男子たちが特にはしゃいで動いてくれなくて練習がいっこうに進まなくて
「どーすべかー。。。」

私は14歳くらいになってようやく

『怒鳴っても人は動いてくれない』

と学習したものですから、怒鳴らずにヤンチャ男子を誘導する方法について頭を抱えるようになりました。
ヤンチャくんたちは反抗したくて動かないんじゃないんです。楽しいから興奮してるだけなんです。
とはいえ…
練習時間は限られてるのにどうすべか…
私は合唱隊にも選ばれちゃったんだけど両方はできないから合唱隊の辞退を音楽の先生に申し出に行っても先生が忙しすぎて全然聞いてくれないので合唱隊の練習を毎日無断でバッくれてこっちやってるんだけどな〜。。

そんな私を理解してくれたっぽいYくんは、淡々と私の説明する段取り通りに黙って動いてくれました。
ヤンチャ男子たちは

『あっ。Yくんがそうしてるからオレらもそうするね〜、しないとね〜、うん、そうだよね〜。練習やらなきゃね〜。こうするのね〜。ごめんごめん。ヘイヘイ!!アイシーアイシー!!こういう段取りオーケイ!!それで次どうすんの〜。』

という態度にヤンチャ男子全体を導いてくれていました。
うちの同級生たちは基本的にいい子たちばっかりだったんですよ。ほんと。
男の子たち同士などではいろいろあったそうですが、『非行』なのは実質いなかったと思います。
近隣他校の非行生徒に絡まれて苦労したという話は数年前に聞きましたが、彼ら自身が非行に走っていたわけではないので別の問題だと解釈しています。

当時の私は、そういう動きをするYくんに対して

『あなたは私の指示提案に動く立場じゃなくて、みんなに指示して動かせる能力があるのに、なんでそっち側なのよ!!』

と思っていましたが、結果的にはみんなを動かしてくれていたのですから、反省して考えればもはや頭が上がりません。

今だからこそ分かりますが、人を動かす力というのは、まだ15歳に満たなかったYくんの行動のように、無言で示す方法があり。
それを思って現在私が裏方稼業をやっているわけでは全く無いのですが、あのときのYくんの行動と、Yくん自身は何も声を出してないのに十数人が彼の動きに追随した、あの現象はほんとうに今でも憧れています。


現在婚約中?微妙な状態の彼は、大勢に対して声を出して、説明をして、説得をして、叱って、褒めて、人を動かすタイプです。
一緒に仕事をしていた時は、そんな彼の態度に多くの仲間たちが彼を信じてついてきました。
それこそ老若男女でした。
『我々はあの人にどこまででもついてゆきますから。』と言った仲間たち。
『あのひとについていきたいから、namiさんはあの人を支えてね。』
とまで言われました。

人を引っ張るのは、それでもいいし。
(でもなんでプライベートだとあそこまでダメ男なんだ〜!!)


ティーンズの頃に憧れていた、<私の脳内では15歳のままのYくん>と、<40歳を過ぎた現在婚約中(?)の彼>を比べるのはとんちんかんなのは分かっているのですが、どうしても感じてしまうこと。

Yくんは、《自分がちょっと遠くに行ってしまうこと》、それが何故なのか、どこに行くのかを、竹馬の友とも言える幼なじみにさえ当時は話していなかったらしいこと。
卒業文集に、進路について告げられショックだったがカッコつけて気を紛らわしたと書いていた謎。
限られた文字数の中でYくんが書いていたのはそのことと、部活での最後の試合で自分の存在を見失い悔やまれる終わり方になってしまったことが書いてありました。
私はこの作文に込められたYくんの想いを解釈するのに結果的に25年かかりました。
この解釈は間違っているのかもしれません。
これまでも、解釈の仮定としては考えてました。
けど今は思うんです。
憧れのYくんだってまだ子供だった。
悲しい悔しい寂しいなか、カッコつけてスルーするという方法で誰にも詳細を告げず遠くに行ったYくんの意志の強さ。カッコヨさ。


一家まるごとでの引っ越しかと思いきや、お母さんやお姉さんは住まいを変えずにいたらしいこと(近所なのでそのあたりまでは分かったのです…妹さんもいたけどわからない…)

今自分がこの年齢になったからか最近勝手に確信してるのですが、ご両親が離婚したんじゃないかしら…
それでお父さんについてって遠くに行くことになったんじゃないかしら??
だから竹馬の友にも詳しいことを話してなかったんじゃないかしら??


10年くらい前。まだ私が人格崩壊から再形成をしていたころ。
思うところあってYくんの名前で検索したら。
たくさん出てきました。
ゼミのイベントの写真とか。ブログが発達する前の個人ホームページで。
ゼミのお友達が作ったのか、ゼミ名義なのか。
そのとき見つけた写真は明らかにYくんでした。
おそらく女っけの全く無いゼミで、大人になったYくんは、イケテナイ服装でネットの世界にいました。
制服じゃないと、こうなっちゃってるのか。
おっさんになったね。あたりまえだよね。私も人のこと言えないよね。



あの写真、保存しておけば良かったなあ。
でも会えないならその方が良いか。


私が今現在憧れているのは、Yくんそのものではなくて、
《Yくんの面影のあるおとぎ話の王子様》
だという確信があります。

でも、婚約中(?)な彼との比較をして。

ぎゃあぎゃあわめかない。
人前で泣かない。
悲しさも寂しさも悔しさもカッコつけてごまかしたと言い切った。15歳にして。

なんてクールなんだろう。

Yくんの名前で検索しても今はもう、写真はもちろん、SNSでも全く見つけられません。
これはきっと本人だ!という名前はあっても、連絡方法がありません。
所属会社名までは分かったんだけど、個人情報に厳しい今のご時世、関連会社に私の親族がいるのですが、これ以上たぐるわけにはいきません。

ただ、同窓生の集まりの中にちょっとだけ登場して欲しい。
いまや夢にまで見るYくんのクールな立ち振る舞いにもう一度だけでもいいからうっとりしたい。

興信所?

そこまでして…

そこまでして、見つけてしまったら、私は自分を止められなくなるかもしれない。

もしまた会えたら。
今のYくんはわからないけど、15歳のYくんを思い出して今でも憧れて夢に見て焦がれているの。
あのとき言えなかったから今言わせて。憧れていた。
と。

facebookでもgoogle+でもいいからどこかに出てきてくれないかなあ…
mixiは数年前地元で大盛り上がりして楽しかったんだけど、ピークは過ぎたのでもうあてにしてない。


ワンンツーで泣く婚約者。
いちいち「namiのため」であることを理由に努力を褒められたがるメンドクサイ婚約者。
自分に不利になるたびに「警察だ!」「弁護士だ!」「探偵だ!」と大騒ぎする婚約者。


15歳のYくんのなにげなさを見習って欲しい。


ひとことも言葉を交わすことなく、ボロボロだった私を癒してくれていた15歳のYくん。


卒業の少し前。
Yくんが珍しく、彼と同じ部活のMくんと話がしたい様子で私たちの教室を覗いていて(他クラスに無断で入室してはいけないルールがありましてね。今もあるんだろうか…)勝手にドキドキしながら気付いてたけど気付かないふりしてたのに

「ねえねえ、Mくん呼んでくれるかなあ?」

とわざわざ私が廊下近くを通った時に声をかけて言ってくれた。

ただそれだけがあれほど幸福だったあのころ。

(ちなみにYくんが呼んだうちのクラスのMくんも、Yくんを何倍も越えた超絶モテモテ君だったのですが、天然くんなんだかなんだかわかりませんが、猛烈アプローチしてくる女の子たちには完全スルーで、かといって好きな女の子がいるわけでもなさそうで、数年前mixi経由の同窓会で大盛り上がりしたときはMくん最新情報も聞こえてこなかったです…)

Yくんとは、いちおう、当時は同じ塾の同じランクのクラスに通っていたので(確か曜日が違った)そのついでに、高校受験どこ受けるの?なんて会話が、できたのにね。
できなかったんだ。

今こんなに旧友に会えるツールがあるのに。

こんなに毎日夢に見るほどYくんを想っているのに。

夢から醒めるのがかなしい日々。

Yくんに会いたいなあ。

十五の憧れのYくんじゃなくなっちゃってても、それはそれでいい。
なんでもできるのにスマートにこなしてた、遠くに行っちゃうのに幼なじみにさえも何も話さずにいってしまった、クールさ、あるいは強がりな15歳のYくんに、アラフォーの今でも憧れてる。
Yくんももうアラフォー。
どんな人になってるかわからない。
とはいえ私なんか完全に別次元な業界で活躍してるところまでは推測できた。
社名も多分、あそこだと思う。

いまは、Yくんがどんなおじさんになってるのかわからないけど。
十五のあなたに憧れ続けて私は今もあなたの夢を見る。
夢の続きを見たくて薬を飲みたい衝動を抑えてる。
それだけでいいから、伝えたい。
重いかなあ。
でも、25年重ねて来た想いです。
簡潔な一言ですますから、顔を見て、伝えたい。

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