2019/04/01

センチメンタルおばさん 春の始まりに想ったこと

【長文です】

なんか最近気分が悲観的だなあ。なんだろなあ。
来年度の市民税の金額が跳ね上がりそうだからかなあ。
4月と5月に仕事がなさそうなのが気になってるのかなあ。
4月と5月に仕事がないと6月にドカンと来る税金とか国民健康保険料とか払えなくて困るよ〜
(フリーランサーあるある)
よく考えたら、月のものがきましたので、そのせいで悲壮感が出てきたのかもしれません。
今までそういう悩みのなかった私ですが、さすがこの年齢になると少なからず来ますわな。

と、思って、単発バイトに登録、応募してみたりなんかして〜。
十数年ほど前も派遣OLとは違う、軽作業単発バイト系の会社に登録していろいろやったものです。
当時は都内に住んでたので、現場は郊外が多いため交通費がかかったのと、連絡手段が携帯電話だったのでなんだかんだ面倒なところはありましたが、今は全部メールで連絡なんですね〜。
会社への登録もwebからの入力と、本人確認書類提出もスキャン画像送信で終わってしまいました。
今応募してるのは、習い事してる教室がある駅から徒歩で行けるところらしく。
近いのは嬉しい。
便利になりましたね。
良い環境だといいなあ〜。。。
ってかそもそも、採用されますように...。



脈絡なく、先日習い事先で着せていただいた超絶ステキ着物。
もう買えませーん!!!

私はこういう一般の方も登録できる派遣系の仕事場では結構浮いてしまう傾向があるので、地味に黙々とやっていきたいものなのですが、割とネアカであることと、嘘がつけない性格なので、本業を聞かれて「芸能界の裏方で〜」と、つい言ってしまうと、興味を持ってくれる人とやたら叩いてくる人がいるので、今回のバイトが決まったらできるだけ素姓謎のまま過ごしたいのですが、できるだろうか...雑談封印して作業に没頭したい...

ま、週明け連絡が来るでしょう!
本業でも、知人から、新年度から仕事が増えて超絶人不足になってるという会社に紹介してもらってて、そのうち連絡は来ると思うんだけど、待ってるだけではもったいないので、稼ぐ手段を増やすしかない!!
本当は、本業をゴリゴリ頑張りながら習い事で資格を取って...という10年スパンの転職計画中なのですが、それにはお金がかかるのです〜。。。
着物のローンが大変なことになってるので、隙間時間にゴリゴリ働きたいのです〜。
頭使う仕事を副業にするとパンクするので、単純な軽作業を選んでみました。
うまくいくといいなあ。


自分で言うのもなんなんですけど、わたしって、あちこち行った派遣先で、気に入られるか嫌われるかの、どっちかなんです〜。
例を挙げると長いので今度にしますけど、ひとつ挙げさせてください。
こんど月に行くとかいう予定のイケイケ社長んとこに派遣で1ヶ月入ったことがありました。10年経ったかなあ。
まともな会社で働いたことがない我流の若者社員たちばかりで、ビジネスマナーなんかありゃしないし、専門学校だかを卒業したての自信満々礼儀知らずどもがどいつもこいつも上から目線。サークル活動の延長以下。
私が質問したら、蛇のような目で黙って睨みつけてくる若い奴がいた。
無言で睨み続けるので
「私何か気に触ること言いました?」
と尋ねると、首を縦に振ってどっかいった。

ありえん!!
ありえん!!!
ってかお前誰やねん!!!

社長なんか、例のあの社長なんか、我々が作業してる部屋で社員会議するとかで、なんかいきなりマイク持って叫び出した。

「あ〜!これマイク入ってんの?あ〜あ〜!!いえ〜い!!あーあーあーーーっ!!!」」

...おめー、うっるせーんだよ!!!

数分後こいつが社長だと知って、とっとと契約終了しようと心に決めた。
ここでは絶対買い物しねえ。
二度と来るか。


以上、余談でした。

まあ、そんなふうに独身ミドルフォーティーが将来に不安を持ちつつ、今日は本業でちょっと遠い現場に行ってました。
1時間電車乗りっぱなしですので、スマホゲームしてたらすぐ着いちゃうんですけど。
そんな往復中、今日は、Y君のことではなく、A先輩のことを思い出していました。

A先輩は大学の一つ上。
うちの学校は専攻コースで部活状態なところでした。
いろんな個性的な先輩がいる中、A先輩は大勢の前ではおとなしく、小柄で、綺麗な顔をしていました。
華やかではないんだけど、今思えば、純朴な。
青年でした。
私が会った時先輩はまだ二十歳。

さまざまなことを、授業以外に、先輩の実習を手伝うという手段で学んでいくタイプの専攻でした。
お手伝いしていく中で、A先輩が高校時代からお手伝いしているという他所の大学の劇団のお手伝いに呼んでいただき。
そういうときは、大勢の前では寡黙な先輩が、自分が考える理論とかメソッドとかを、よく語ってくれました。
そののち、その他所の大学の劇団については私に丸投げされることになるのですが〜。

私はA先輩のことが大好きでした。
目立たないけど、自分の意思をしっかり持っていて。
誰にも流されず。
言動が安定していて。
いやらしさのない、すっきりした顔立ち。

なにかといろんな現場に声をかけてもらえるのが本当に嬉しくて。
楽しくて。

ですがある日、私が2年生になってから、A先輩から電話があり。
学校を辞める、と。
自分がやりたいことをやってる会社に乗り込んでいったら、採用してくれるって言うから、学校でグダグダやってる時間がもったいないから辞めるんだ〜。
って。
すこーん。
と、私の心に、なにか穴があきました。

「...そうなんですか。。。」
「うん、だから辞めるんだ。」
「...。」
「...。」

『淋しいです、辞めても時々は会ってもらえますか?その会社で人手が必要であったら、こんな私でよかったら呼んでもらえますか?』

と、言いたくて、言いたくて、けど、言えなくて...。
言えなかった理由は、今までも書いている通り、私はこの世の恥であり、誰かに大切にされる資格はないと刷り込まれていたから。
今私がそんなことを言ったら、すぐA先輩を困らせることになる。
けどA先輩の近くにいたい。
電話で沈黙の時間が1秒1秒過ぎていく中、A先輩の方から
「それでも時々声かけてもいいかなあ。」
と、言って欲しくて待っていた。
けど沈黙だけが続いた。
どうやって電話を切ったのか覚えていない。

それから何ヶ月経ったのか。
A先輩から丸投げされた劇団の脚本家さんが自殺未遂をしたと、劇団員から連絡があった。
まだ二十歳だった私は混乱のどん底に行きました。
脚本家さん自身は結構な変わり者で(脚本家ってそういうものでしょうけれども)好きではなかったのですが、わけわかんないけど何か心に打つセリフをぶつけてきて、結局なんだったのか解釈のしにくい本を書く方でした。

A先輩は一応もうその劇団から離れているのですが、私はいてもたってもいられずA先輩に電話しました。
当時はまだ携帯電話がなかったので家電です。
A先輩は実家暮らしだったのですが、どうやって取り次いでもらったのか全く覚えてません。
一回電話したらすぐつながって「あ、家にいたんだ。」と思いながら。

脚本家と連絡があまりにも取れないので劇団員が家に行ったら、トランクス1枚の状態で手首を切って血まみれで倒れていたと。
「ばかやろう!!!」
と言いながら救急車を呼んで、今はICUにいて、命に別状はなかったけど検査したら肝臓かどこかがかなりやられていたと、劇団員に聞いたままをA先輩に伝えました。

A先輩は感情表現がフラットな人で、興奮したり怒ったり落ち込んだり反省したり悩んだり、というのを一定のテンションでこなす不思議な人でした。
私はいちいち喧嘩腰になったり興奮したり落ち込んで地面に穴掘る勢いのタイプなので、正反対のA先輩は憧れでした。
私が脚本家の自殺未遂を伝えても、A先輩は
「そう...」
「悩むところあったんだね...」
「命に別状なくてよかったね。」
と、淡々としていて私はものすごく拍子抜けしました。
『え!それは大変だ!お見舞いといってもICUじゃ会えないし、みんなはどんな様子??』
とか言うと思ってたんだけど。
ずいぶんあっさりしてるなあ。
と話をしているうちに、私の混乱も少し収ってきました。
A先輩の本心だったのか、私が混乱してるのに気づいてあえて淡々としたのか、わかりません。
けど、女の人なら「ぎゃー!」となるんじゃないかと思いますが、今では少し距離のある人の自殺未遂ではそんなにぎゃーぎゃーならないものなのでしょうか、男の人って。
A先輩だから、だったのかなあ。

学校を辞める、と電話をもらった時、私はどうして
『これからも時々は会いたいです』
って、言えなかったんだろう。

他人のせいにしますが、子供を自己否定させるだけで育てるとこうなります。
幸せ逃します。
あ〜あ。これが失敗作です。

この業界は繋がっていて、ぐるっとまわって旧知の知人に再会。
って、よくあることなんですけど、なぜかどうしてA先輩には未だに会えない...。

今の私なら、A先輩にたとえ妻子がいようとそれはそれで、いつか再会できた日には欧米スタイルで
「会いたかったです!!」
と、抱きつくつもりです。

あれから20年以上経って。
ひとつしか年齢の違わない、二十歳のA先輩。

可愛かったなあ。

小柄で、白いシャツを着てて、肌がつるっとしてて。
うんちく語りだすと長くて。

どうして、会いたい人には会えないのかなあ。


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