2023/01/29

吸血鬼すぐ死ぬが好き。

 dアニメストアをチェックしたらいつのまにか2が始まっていたアニメ「吸血鬼すぐ死ぬ2」。


TVアニメ「吸血鬼すぐ死ぬ」公式サイト


なんかねえもうツボなんですよこの作品。
たぶんコミックスで読んでも私的には違う気がするのでアニメだけ。
結構下ネタ満載なんだけどこのくらいなら大丈夫。
ドラルクが砂になって死ぬのって死んでるのとは違うんでないだろか、あんなにすぐ再生するなら。砂の状態でも喋れるんだから。と思うところもありますが面白い。声優さんが普通に、誇り高い不死のバンパイアっぽい声でヌハハハハハと笑うのにしょうもないことで「スナ〜」と死んだり、変身に失敗して「殺してくれ」と言ったり、料理が得意だったり、ジョンを溺愛していたり、家族を敬愛してたり、楽しそうだったらイケナイコトもやっちゃうギャップが好き。声優さんスゴイ。トマトジュースじゃなくて牛乳飲むところも好き。
あとジョンがかわいい。ヌーしか言わないのに今川焼きを買えるくらい街に馴染んでるのも良き。

あと私はギャップ萌えしがちな人なので、ショットが好き。いつも目元暗いしアニメで名前出たの遅いしあんまり喋らないけど変なフェチなのが面白い。

コロナ禍になって休止しちゃったけど以前トークショーをやってて(再開したかなあ?)仕事で何度かお会いしてる(けど私は特に用がないので挨拶以外喋ってない)声優さんが出演してて、トークショーではもう下ネタだらけで大変な方なんですけども、この作品でもなんかあの時のノリでワーキャー言ってるのも面白くて。
挨拶する時とかはちゃんとしてますよ、こっちが恐縮するくらいですわ。

短いストーリーでサザエさんみたいな編成がされてるので、ギャグのパターンに飽きる前に次の話になるので丁度いい。

あー楽しいな楽しいな。
私にもジョンみたいな使い魔が欲しい。


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2023/01/22

『毒展』行ってきた。

 国立科学博物館の『毒展』に行ってきました。

特別展「毒」 <オフィシャルHP>

博物館って2,000円もするんでしたっけ…そしてチケットももうペーパーレスが当たり前なのね…久しぶりにこういうところに来ました。そして久しぶりに着物を着て行ったのです!母の実家から発掘された小紋と、リサイクルショップで買った博多織の帯。小紋は裄と袖丈がちょっと短いのでマイサイズの長襦袢がはみ出すし袖の中でモゴモゴするし。羽織でごまかします!私は腕が長いので羽織はリサイクルショップでは丁度いいのがほぼ見つからないから、仕立てたいなあ。その前にもっとたくさん着物を着よう。


館内は結構写真OKなところが多かったです。まあ撮っても見返さないだろうからこれしか撮りませんでした。
「秘密結社鷹の爪団」とコラボしていて、結構シュールなギャグを織り込みながらの案内が面白かったです。
鷹の爪団ってよく見るけど何だかよく知らなかったです。テレ朝からNHKに移って有名になってたのね。
毒を使って世界征服をしよう!という意図で毒について調べていくんだけど逆に征服されちゃうじゃん無理じゃね?という流れ。
植物、動物、海洋生物、鉱物、化学物質、などジャンルごとに毒を紹介していく中で、鷹の爪も目に入ったら大変とか食べ過ぎたら大変とかいう意味では毒です、という展示がありました。これはもともと作るつもりなかったコーナーだったけど作ってもらえたと彼らが紹介していました。
何にとっての毒なのか、どうしちゃうと毒になるのか、使い方によっては薬です、といった多方面からのアプローチで紹介がされていて、玉ねぎやチョコレートやユリの花もおうちの犬猫にとっては大変な毒ですよ、という紹介もあり、とても見応えがありました。
平日に行ったけど結構館内混んでいて、サクサク見るのは難しいのでフムフムと説明を読みながら回ってたら結局3時間もいました。
音声ガイドは五条悟を演じている中村悠一さん。気になったけど借りなかったです。五条推しの知人に教えてあげたい。ん?五条が好きなのであって声優さんを推してるわけではないので興味ないかしら。

植物、動物、化学などの各分野の研究者さんたちがそれぞれ担当して解説を作っていて、最後のフロアで各研究者さんたちの考えとか体験談が読めるのも楽しかったです。すっごいたくさん蜂に刺されてる方とかいらして。研究って体当たりな仕事なんだなと感じました。机に向かってるのが研究ではないんだなあ。すごいなあ。
展示されてるものに、アクリルに閉じ込められた標本とかレプリカもあったけど、触っただけでもヤバいらしい植物を乾燥させて押し花みたいにされてる実物標本もあり。たいへんだ。
研究者コーナーに「私を刺した蜂」というタイトルで蜂の標本が展示されてたのがとても面白かったです。私のツボに入ってしまって思い出しても笑ってしまいます。「私を刺した蜂」。その蜂を確保したところとか、標本にしてやる〜と持ち帰った時の様子を想像したら…スゴイ…。そのまんまの名前を公式に案内プレートとして表示されるまでに至った経緯を勝手に想像して面白いです。誰か突っ込んだのだろうか、別のタイトルが検討されたのだろうか、特に揉めることなくサラッと採用されてたらそれはそれで面白い。

毒という恐ろしいものをユーモアたっぷりに紹介していた演出方法が良かったし、研究者の方々の愉快な様子も楽しくて。行ってよかった!

自分の経験で言うと、抗がん剤も毒なわけで。髪の毛が抜けるほどの、免疫力が落ちるほどの、私の場合手の甲の血管が崩壊してしまったほどのすんごい毒だけど、薬なわけで。開発してくれた方々はどんだけ変人なのでしょうか。褒めてます。感謝してます。何をどうしてこんな劇物を使ってみようと思ったのでしょう、そして治験に参加してくださった方々にも感謝しかありません。

展示を見る前にレストラン「ムーセイオン」で特別メニューの「真フグのクルート焼き 紫キャベツのソース マッシュルームのクリームスープ」をパンでいただきました。



レストランには入館しないと入れなくて。日時指定のチケットの、指定時間前に入りたくて聞いてみたら、今日のチケットを常設展とかの入口で見せて「レストランに行きたいのです」と言えば入れてくれるとのことで。特別展の入口は常設展をしているところの中にあり。特別展のチケットで常設展も見られますが体力もたない〜。けどシアター36◯は見ました〜。

お料理の話でした。クルート焼きというのはパイというかビスケットみたいな、小麦粉を使った生地を乗っけて焼く料理らしいです。フグってすごい弾力なんですね。固いんじゃなくてモッチモチで、ナイフで切るのもモキュモキュしました。だからフグって刺身もお鍋も薄く切るのか。フグ料理って食べたことないに等しいくらい知らんのです。
おいしーい!と騒ぐほどではないですが、緑色と紫色で毒々しさを出しつつピンク色やお花のトッピングで可愛らしさも出していて楽しかったです。マッシュルームのスープが美味しくて、結構たっぷり入ってて、良かったです。パンも美味しかった。国立の施設でこんなに愉快な体験ができるんだなと思いました。

2/19まで開催しているので、まだ見てない方、是非!





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2023/01/17

ツムラ23番合うかも。

更年期症状向けの漢方を23番に変えて数週間経ちました。

なんにもやる気が起きなくて疲れ果ててずっと転がってて、どうしたらいいのかしらと思って神経科の主治医に相談したら24番より23番を勧められてそろそろ1ヶ月。

3週間目くらいから、いつまでも布団でゴロゴロしてられなくなり。

それまでは、頭真っ白で、眠くなくても目を開けていたくもないどんより鬱々した状態で、トイレと食事以外何もできずにいました。

それが、23番を飲み始めて3週間くらい経った頃から、「もう起きよう。」と起き上がって映画見たりドラマ見たりし始めて、ずっと放置していたゲーム、オクトパストラベラーも再開。
そして今日は、仕事で使いたい機器の講習ライブを見て勉強しました。私のレベル低すぎて全然わかんなかったけど涙。

この調子で更年期のグダグダを乗り越えられれば少しは学習が進むかしら!
期待したいです。

先日は久しぶりの大型展示会の設営と撤去のお仕事。
クライアントから大どんでん返しの要望がドカドカ来ておおわらわ。
あまりにも変更が多かったので、4ブース仕込んだうちどれがどう仕上がってるのか全然わからず、とりあえず降ろすかと。

この規模だとあと2〜3人欲しかったよう。

上から降ろすのは若い子が頑張ってくれたけど、下で受け取って箱にしまうだけでも右腕パツパツ。再建で変形してる右大胸筋が筋肉痛なのか、右腕動かすと痛いよ。しかも撤収は雨だったから、会場からトラックまでの機材移動辛かったよ。鳥目で暗いところなんも見えないよ。

あとこれは癌治療あんまり関係ないと思うけど、疲れると吐く。
遊びに行っただけでも帰宅後吐く。
仕事前に緊張しても吐く。
結構困る。胃液をちょっと吐くだけで大抵済むんだけど。
まあそれでもやる気スイッチが入るようになってきたのは良かった。

仕事のランチで海鮮丼いただいた〜!ご飯少なめでも私が食べ終わるの一番遅い。

想像以上に押しちゃったので夕飯抜きで設営したわよ。撤収は終電は間に合ったけど終バス逃してタクシー乗ったよ。

まあ、順調に向かってるかな。
新しい技能を身につける勉強と練習にスイッチ入れよう。
そして断捨離も進めよう。


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2023/01/14

映画「Dr.コトー診療所」 ネタバレ感想

先日、映画「Dr.コトー診療所」を見てきました。

映画「Dr.コトー診療所」公式サイト

結構楽しみにしてたんですよ。タケヒロくんが減量頑張ってまた出てくれるのが嬉しくて嬉しくて。
レビューとか何も読まずに嬉々として行ってきました。


いったい何を見せられたのでしょうか…
怒涛のツッコミ祭り始めます。
まず個人的に、いきなり登場したナミという名のキャラ。
映画のド頭から自分の名前呼ばれてびっくりですよ。え、これ誰。蒼井優はミナでしょ。誰ナミって。看護師?いつのまに?
で、ハント先生との出会いが足に引っかかって転けてぷんすか!何だこれは昭和の少女漫画で住宅街の交差点や学校の廊下の角でぶつかった男女の恋愛が始まるフラグ的なこれなに。

それで負傷した漁師がタケトシさんで、足切断も視野に入れるべき重傷を負って始まるって。
私は離島に住んだことありませんけど、この島、いきなりオペしなきゃいけない状態に急変したり、死んでもおかしくない怪我する人多くないですか?やたら多くないですか?なにもそこまでの重症にしなくてもよくないですか?タケヒロを島に呼ぶ理由にしたいんでしょうけど、やりすぎだと思いました。
で、クニちゃんはあのクニちゃんじゃないのね。
ってかナミさんってどこから湧いてきたのよ。

タケヒロの上京後も重すぎるでしょ。ドロップアウトまではまああるかもしれないけど警察に追われるまでする必要ある?その割には東京に戻ってからの取り調べシーンがないのが変。

ハント先生はあくまで正論。

俳優さんたちの演技は生き生きしてるんだけど、展開がおかしすぎる。
一旦避難所に来たおばあちゃんを、わがまま聞いてひとりで家に帰すなと。
なんのための避難所かと。
家の立地がよくわからんけど、部屋の中ぐちゃぐちゃになるほどの台風だったんか?ならなおさら帰すなと。
タケヒロとクニちゃんが川を見に行ったけど、ヤメレと。
診療所に運ばれた人たちの怪我の状態はよくわかんないけど、開放骨折とかしてなかったらとりあえず自分で消毒して軟膏とガーゼでももらって待ってろと。
ってか台風そこまで酷いのにしなきゃダメ?
そして、ああ、もうこの作品ダメだ。と思ったのは、コトー先生が自分の体調不良を押して、アヤカが大きなお腹を抱えながら奮闘してるのに、島民たちが「先生!」「アヤカちゃん!」うるさいってば!!おめーら、気力で何とかなる状況じゃないのがわからないほど馬鹿なのか?マラソン大会の応援かよと。
そして大森南朋は大騒ぎの間どこで頭抱えて何やってんだ?

おじーちゃんの心臓マッサージをタケヒロが始めて息を吹き返すのは期待通り。
あの島にずっといてトリアージできない気持ちはわかる。

だけどさ。
何だこれは。

つまりは、離島に、何の手術でもできる万能医師が常駐するのは自己犠牲払ってくれなきゃ成立しないんですよ、ほらこんなふうにね。
ということが言いたかったのでしょうか。

俳優さんたちの演技に夢中で見終わってすぐはしばらく混乱してました。
いったい私は何を見せられたんだ??

たぶん私と同じ願いを持ってた人は多いと思います。
タケヒロが研修医になって、もしかしたら一旦ドロップアウトするかもしれないけど島の医療を引き継ぐためにコトー先生が元気なうちに内科も外科も脳神経外科もマスターするべくあっちこっちの病院で研修を受けて、ちょっと島に帰ってきた時に何かしらがあってオペの手伝いをして、やっぱり僕はここの医者にならなきゃいけないんだ!と自覚し、それに共感した男でも女でも誰でもいいタケヒロの友達が看護師なりなんなりの研鑽を積み、同時に、離島の医療について役所とかが議論して、解決はしなくてもそこらへんまで。
みたいなのが見たかったのよー!!
何よあれ!!

見た翌日1日すっごい不機嫌になってしまいました。
心臓手術終わったばかりのみどりさんがお産取り上げられるわけがないし、ハントができるのか?ってかミナはもう看護師やってないの?

映画くらい夢見させてほしかったなあ。
あれ実際離島に住んでる人たちはどう思うんだろう。
台風であんなに負傷者出てパニックになるんじゃ、医療体制より災害対策に力入れる方が先でないのか?

そして前から思ってたんだけど、手術の時に麻酔科の医師がいないのがこわい。
私の手術の時は麻酔に際しての事前の検査もアレコレあって、オペ中もずっといてくれて対応してくれたらしくて、まあ何されてたのか分かりませんけども麻酔酔いする人もいるしさあ。私はお酒に強いので、麻酔とか痛み止めがやや効きにくいだろうと言われてました。そういうことケアする人いないのこわい〜。
自分が手術体験しなかったら気づかなかったと思います。

でさ!
エンディングの解釈はお任せしますと言える演出なんだろうけど、いや、あれはしんでるでしょう。こうなったらよかったね〜。の絵でしょ。
ひ ど い。
アヤカはシングルマザーになっちゃって、アヤカのお母さん体が不自由だからお世話の手伝いも大変で、んで医者がいなくなっちゃって(ハントがいるのかもしれないけど)って未来になるの?
もしかして赤ちゃんもアレしちゃうの?
何なのよこれ〜!!
こんなことになるなら続編なんか無かったことにしたい。
見たなかったことにしたい。

役者がかわいそうだ〜。
問題提起の作品にするならもっと別の方法があるでしょー!!

プンスカ!!!


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2023/01/12

poetic monologue

育った環境が異常で、児童養護施設に保護されたい、もしくは精神病院にぶち込んでほしいと心の底から思ってた子供の頃。

出戻り転校で戻ってきた時は楽しかった。前から知ってる友達、新しい友達。
私は賢い子だったけど、塾に通ってる子たちや習い事に打ち込んでいる子たちにはぜんぜん敵わない、次元が違うと気づき始め。
自分で勉強しろと親は言うけど、勉強の仕方もレベルも全然違うからそういう問題じゃないのにうちの親はばかなのかなと気づき始めた。
中学受験なんてものの存在を知らなかったので、中学校に上がるときに引っ越すわけでもないのに同じ中学に行かない子がいて、そういう子たちは学校の勉強とは全然違うことを毎日頑張ってたんだと、中学生になってから知った。

中学生になって、理数系が苦手だと気づき始めた。
それでも基本的に賢い子だったからか、ずっと学級委員になっていた。
だけど家庭環境が悪いゆえ、性格が捻じ曲がっていて、口が悪いことでもちょっと有名だった。
何故ってさ、年がら年中、この世の恥、住ませてやってるんだから家賃払え、払えないなら出て行け、と言われつつ、痩せていたからか毎日吐くほどの食事と両手一杯の栄養剤を与えられて黄疸になったり原因不明の白血球増加とか、喘息発作起こしても「うるさい!!」何回もう死ぬと思ったことか。毎日殴られ蹴られ。
そのくせ、顔だけは褒める。
私のことを美人だと言い張って、同級生や他の誰かの顔を貶す。
何でそんなこと言うんだろう。私の顔、変なのに。心も頭も、おかしいのに。


小学生の頃からお酒を飲まされてた。
今でも飲むけどさ。
普通、クリスマスでも正月でもないただの夕食時に小中学生にビール焼酎日本酒ワインウイスキーブランデー一連飲ませないでしょ。狂ってるよね。

父に体を触られて。
挿入しなければ虐待じゃないの?
思春期の少女の体を弄り回す父親っておかしくないですか?
何度も、やめて!と振り払っても、可愛いから触りたいのに。と自分を正当化するだけ。
私が嫌だって言ってるんだからやめろボケ!!!
父の手が伸びてくるたびに、触られる前に叩いたり逃げたりしても私がどれだけ嫌だったか今でも理解してない父。

これで男性に仕事以外で近づくのが嫌になった。恋愛に興味がなくなったのもこのせいだと思う。

こんな悪夢の日々に純粋で透明な優しさを言葉もなくくれていたのがY君。
今みたいに寒い季節は特にY君を思い出す。
近所のちょっと広い公園、テニス部に入ったけど下手すぎて凹んでた私は日没後ひとりで練習をしていた時があった。土台にゴム紐で繋がったボールがついてて、ひとりでポコポコやるの。
これはできるけどわたしサーブが入らないのよ。しょぼん。とラケット抱えてしゃがみ込んでる時に、サッカーのリフティングしてる音が聞こえて。街灯が暗くてよく見えないけど、この公園でこんな時間にそんな練習しにくる人は同世代では限定できる。そしてたぶんわたしを認識しているのに声をかけてこないムッツリが誰かもすぐ見当がついた。
下手くそな練習見られて恥ずかしいな。だけど私が運動苦手なのは小学生の時から知ってるだろうからもう開き直ろう!えい!えい!へたくそ!
とヤケになってる間にY君は帰ってて。
私は2年生になってテニス部を辞めたので、ほんの数回のこと。
今でもその公園の夜の街灯を見ると思い出す。
あそこに私がいて。あそこにY君がいた。もう33年も昔のこと。

Y君とは近所だったんだけど、通学路に、すれ違うルートを使ってた。
谷間にある住宅地から高台に昇らないといけなくて。どっちで行っても時間は大して変わらないんだけど、Y君はうちの横を通るルートを使ってた。
ばったり会っても、Y君は私が何か言っても黙って笑ってどっかいっちゃうのが小学生の頃からの常だったから、またはぐらかされるのは寂しいし虚しいから私はずっと黙ってた。
当時、冬は女子は学校指定のコートを着て良かったんだけど、男子は学ランだけ。マフラーもしてなかった気がする。まあみんなワイシャツの上にジャージ着て学ラン着てたみたいだけどね。冬のY君は両手をポケットに入れて、明らかに私に気付いてるんだけど、見られてるの分かるんだけど、何も言わずにすれ違ってた日々。

この道なんだけどなあ。
もう二度と会えないのかなあ。
昨日のことのように覚えているのに。

大学で女っ気のないゼミに入って大学院まで行ったのは知った。ゼミのホームページがあってね。たぶん全員チェリー。って隠し文字が入ってた。

そこからさ。

いつか私に会うためにY君は清廉なままでいてくれてると妄想して自分を癒してた。
私だけのお伽噺を夜な夜な心で読み返して生きてきた。
だけどもうその魔法は解けちゃうみたい。

Y君が私に再会する気があるならとっくにコンタクトとれてたでしょ。
そうじゃないから今でも音信不通なのよ。
わたし、電話したのよ。何故かすごくお母さまが狼狽えてたので、私の電話番号伝えてって言ったのよ。伝えてくれなかったのかな。無視してるのかな。

霜柱を踏みながら歩いたよね。
学ランのポケットに両手を入れて、首をすくめて歩いてたよね。
私が謎の体調不良で保健室で寝込んでた時、元気はつらつなはずのY君が保健室の廊下から覗き込んでたよね。
アイロンで火傷して一日中、保健室で借りた保冷剤握りしめて行事に参加してた私の手を少し遠くから気の毒そうな目で見てくれてたよね。
卒業直前の自由時間は、用もないはずなのにベランダでうちの教室が見えるところまで来てたよね。
幸せだったなあ。
あの頃の私じゃ、Y君には駄目だったの。私、狂ってたから。だから告白しなかった。

今の私も狂ってるけど、あれからここまで生きてきたこと、喘息は治っちゃったけどがんになって治療頑張ってもう元気なこと、私のくせにガテン系な仕事してて、10メートルくらいならひょいひょい昇っちゃうのを見てほしい。
見てほしいよう。

あの階段をY君が昇っていたのに。ここですれ違ったのに。ここでリフティングしてたのに。Y君がいないの。

最近は夢にも出てきてくれないの。普通に考えたら家庭持ってるよね。私じゃないどんな女性を選んだのかな。

33年も経つのに、私やっぱり狂ってる。

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